ももいろクローバーZ等身大の高校演劇映画『幕が上がる』【映画Review】

ももクロを好きになってしまった

っと友人に話したら「好きになるタイミング遅っ!!」って言われてしまった。

えっ!そうなの!?オレ遅いの?

そうです。ぼくは今までももクロの魅力を全然知りませんでした。歌は友だちがカラオケでノリよく歌っていたのを聞いたくらいだし、顔と名前が一致するのは真ん中の子(百田夏菜子)くらいだった。正直、ももクロがなんで人気なのかわかりませんでした

ですが、ももクロ主演の映画『幕が上がる』はそんなぼくがももクロの5人の名前を認識し、好きになるくらいの強い強度を持った映画となったのです。

別に『幕が上がる』はももクロのドキュメンタリー映画じゃありません。AKB48のような「あっちゃんが過呼吸になって、AKBまじすごいやろっ」っていう映画じゃありません。だから、ももクロ賛美の映画では決してなく、真正面からの青春映画で、真正直な高校生の映画です。

最初は、ももクロがド下手な演技をして、フジテレビよろしくのつまらない物語を見せられると思っていたんですが、最後にはももクロいいじゃん!『幕が上がる』いいじゃん!といった感じになってしまいました!

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あらすじ:舞台は私立高校の弱小演劇部

さて、物語は関東近郊にある、とある私立高校の演劇部のおはなしです。

冒頭、主人公の高橋さおり(百田夏菜子)は、周りからなかば無理やりの推薦で演劇部の部長になります。演劇部は部員も10人にも満たない弱小演劇部。高校演劇大会では地区大会突破すらもできないくらいの部活です。

その後、部長としてこれから演劇部をどうしたらいいか悩んでいたさおりは、美術教師の吉岡(黒木華)が昔、学生演劇の女王と呼ばれていたと知ります。さおりは吉岡に演劇部の指導を依頼。そこから、吉岡の的確な指導とともに、高校演劇大会の上位を目指すため稽古がはじまります。

▼『幕が上がる』予告編はこちら

等身大のももクロの演技

最初に言ったようにこの映画『幕が上がる』はももいろクローバーZの5人が演劇部のメンバーの中心として活躍します。

「アイドルの映画だから、みんなどうせズブズブ演技だろう」

そう思っていたんですが、なかなかどうしてももクロの演技がうまい。うまい、なんて簡単に片付けちゃうのもアレですが、まあうまい

ももいろクローバーの5人はおそらく『アイドル』という特殊な職業であるから、普通の女子高生の役というのは逆に難しいじゃないかと思うんですよね。学校にいる時間より、アイドルである時間のほうが多い彼女たちだから。

でも、この映画ではそこに「ほんとに純粋な女子高生」がいて、全然浮いていない、アイドルじゃない等身大の5人が映しだされている。めっちゃキラキラしてて、田んぼ道を自転車でわーって言って駆け抜けるシーンなんて、もう「THE青春」

今までぼくは青春の読み方を間違えてました。あれは「ももクロ」と読むんですね。

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(C)2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講談社 パルコ

でも、ここでちょっと疑問に思ったのが、ももクロの演技がなんでこんなに仕上がってるんだろうということ。

調べてみると実は、ももクロの5人は演技を学ぶためにこの映画の原作者であり、演劇界では著名な平田オリザさんの演劇ワークショップに通ったそうです。

そこで、演劇の根本の部分を学んだのだそう。

オリザさんが教えてくれたのはお芝居の根本の部分。
台本をもってここのセリフをこうしろじゃない。お芝居とはなんなのか、そこから教えてくれました!

お芝居はこうでなくちゃダメとかない。アイドルがこうでなくちゃってのもない。
その時、ジャンルを通り越してなにか新しいものが作れる気がしました!

(百田夏菜子:公式サイトより)

演技指導をする人が変わるだけで、ここまでお芝居というものが変わるんですね。平田オリザさんの本、気になってたんで、映画観た後Amazonポチりましたよ。

ひときわ大きな魅力を見せた“黒木華”

ももクロ以外に、この映画でひときわ大きな魅力を放っていたのが黒木華

(くろきはな、って読んじゃった人へ!くろきはだよ!)

ももクロはやっぱり演技が良かったとは言え、ちょっとなんかまだまだだなーなんていう雰囲気の場面が散見されたけれど、対して黒木華はさすが本物はちゃいまっせという演技をしてくれます!まじで黒木華にグイグイ魅了されちゃう。

特に、物語の前半。部長の高橋さおりに「肖像画」という演技の手法で演劇をやってみないか、と教師の吉岡が提案する場面があります。部長としてうまくいかず、ストレスが溜まっていたさおりは吉岡に対して「じゃあ、先生はどうやるんですか?やってみてくださいよ!」と噛みつきます。そこで、吉岡は「…わかった」と演技を始める。

ここで、突然今までただの教師だった吉岡先生の顔が一変。まとめていた髪をバサーっておろして女優スイッチが押されます。

いきなり演劇女優の顔になるんですよ。

そして吉岡先生は窓を開けて、風を部屋に入れる。すると、まるでジブリの宮﨑駿が演出したかのような風が吹き、家族について一人語りをはじめていく。

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このシーンめっちゃグッとくるんですよ黒木華かっこ良すぎ!これが演技の力や!どや!!っていうのがビンビン伝わってくる。もう単純に「女優ってすげえ!」と声を漏らしてしまいます。

なんかこのシーン見れただけでぼくは満足ですよ。

ももクロ好きになったって言ったけど、黒木華も好きになりました。そうです。ぼくは惚れ性です。

グッときた言葉:「でもここにいるのは2人だよ」

最後に、なかなか良いことばだなーなんて思ったこと。これは演劇の有名校から転校してきた中西さん(有安杏果)とさおり(百田夏菜子)が、全国の演劇大会を観に行った後、さおりが中西さんに対して演劇部に勧誘するシーン。

中西さん「高橋さん。それでも人は1人だよ。宇宙でたった1人だよ。」

さおり「でもここにいるのは2人だよ」

中西さんが心に傷を負って、孤独を感じているところに、ふっとさおりが「自分もいるよ」とそっと隣にいく演出がなかなか良かったです!!

この映画、ももクロ映画だと思って、侮ってましたね。なんだか、もう1回この5人で映画でもドラマでも何でもいいから何か作ってもらいたいです。またきっと良い物語を作ってくれそうな予感しかしない!

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