思考実験を映画で再現!「ランダム 存在の確率」は秀逸な思考SFスリラー【映画Review】

突然ですが問題です。

蓋のある箱を用意して、この中に一匹の猫を入れます。箱の中には猫のほかに放射性原子とそれが分裂したかどうかを検出する装置と毒ガスが入っており、原子が分裂すると、検出器が作動して毒ガスが出るような仕組み。

もちろん毒ガスが出ればその猫は死にます。このとき、原子が分裂する確率は50%、つまり五分五分の確率です。

さて、この箱の中の猫はどうなっているでしょう?

sch1

(「ためになる雑学シリーズ シュレーディンガーの猫」より)

この問題は「シュレーディンガーの猫」と呼ばれる有名な量子力学の思考実験を簡略化したものです。

さて、この「シュレーディンガーの猫」の答えですが、ふつうに現実世界の常識から見てみると「猫は死んでいるか、生きている」というごくごく当然の回答となります。

しかし、量子論の立場ではそうは考えません。

「箱の中に入っている猫は、箱の中身が観測されるまでは、50%の確率で生きているか、死んでいる。そのため、箱に入っている猫は、蓋が開けれられるまで生きている状態と死んでいる状態が同時に存在している

350px-Schrodingers_cat.svg

Wikipedia「シュレーディンガーの猫」より)

このように考えるのです。

Sponsored link

「シュレーディンガーの猫」を映画にしてみた

さて、シュレーディンガーの猫を少し紹介しました(詳しくはこっちを読んでみてください)が、こういうテーマって、SF好きなこじらせタイプのぼくにはすごい大好物なテーマなんですよ。詳しい解説とかも読んだんですが、全く意味わかんないところもなんか良いw

そして、そんな思考実験を実際に映画にして映像にしちゃったってのがこの映画。

166871_01

あらすじ

まずはあらすじを紹介しておきます。

ミラーすい星が、地球に最も接近するとされる夜。エム(エミリー・バルドーニ)とケヴィン(モーリー・スターリング)のカップルは、友人が自宅で開くパーティーに招待される。男女8人で楽しい時間を過ごそうとした矢先、突如として停電が起きて部屋は暗闇に包まれる。不安に駆られた彼らは部屋を飛び出して外の様子を見に行くが、そこで自分たちとうり二つの人間が全く同じ家で生活しているのを目にする。共通の空間に、自分たちと別の自分たちが存在することにおののくが……。(「シネマトゥデイ」より)


まず、この物語はジャンルとしては大部分が1つの家や空間の中だけで進む「密室推理劇」です。このジャンルの有名どこで言うと洋画だと「SAW(ソウ)」や「CUBE」、邦画で言うと「キサラギ」「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」などですかね。

この映画も、キャストは男女8人のみで、撮影場所は一軒家とその近隣しか出てきません。物語の冒頭では、ミラーすい星が地球に接近しているなどの会話がなされ、ホームパーティーに男女8人が集まります。しかし、その会話中に家が停電。電波もつながらない状況に。

そこで、外の様子を見に行き、一軒だけ明かりがついている家を男2人が尋ねに行く。しばらく経つと、外出していた男2人が血相を抱えて家に帰ってきて、「なんとそこには家にいた8人と同一人物がいる」と言ってくる。

つまり、停電中に明かりがついていた家の中には、もう一人の自分たちがいるっていうストーリーなんです。

8人は箱の中の猫と一緒

ここからのあらすじを話してしまうと細かいネタバレになっちゃうのですが、この話は「シュレディンガーの猫」とどう関係があるのでしょうか?

簡単に言うと、

  • 猫 → 家の中にいる8人
  • 生死 → 家の中にいる8人のそれぞれの行動

と捉えればわかりやすくなるかもしれません。

「シュレディンガーの猫」は蓋のされた箱の中にいて、その生死は誰かが観測するまでは生きている状態と死んでいる状態が併存している。対して、この映画の世界では、男女8人がハレー彗星が生み出した不思議な空間の中にいて、その生死や行動はハレー彗星が地球近くを通りすぎるまで、様々な8人の状態が併存している。というような状態です。

えっ、よくわからない?

まあ早い話、ハレー彗星が通り過ぎるまで、無数のホームパーティーをしていた8人の男女が併存しているっていう未知なる状態の映画ってところ抑えておけば大丈夫です笑

詳しいところは映画を是非見てください!

秀逸なパズルみたいな映画!

165b18

(「lastestmovie.com」より)

色々、小難しく「ランダム 存在の証明」を紹介しましたが、密室推理劇ものにしてはかなり秀逸な映画でした。前半に出てくる伏線を徐々に回収していくうまさがありつつも、観ている人がどんどん混乱させようとしてくる脚本は素晴らしいです。

密室推理劇は、脚本がダメだとほんと低予算C級映画に成り果ててしまうのですが、逆にその密室性を活かすととんでもない面白さが出る。

この映画は、まさに後者!

途中から、誰がどこの家のやつかが混乱しまくること請け合いで、密室推理劇ものはいくらつまらなさそうでも、なんか手に取っちゃう人(オレ)にオススメです!!

トップへ戻る